ニュースの要約
- 2024年産米の生産量は前年比で増加。
- 大規模集荷業者の確保量は減少し「消えたコメ」報告。
- 在庫は生産者、卸売、小売、消費者全段階で増加。
- 心理的要因がコメの流通に影響を及ぼしている可能性。
- 政府の備蓄米放出による価格下落の見通し。
ニュースの概要
米価格が高止まりし続けている中、2024年産米は前年よりも生産量が増加したにもかかわらず、全国農業協同組合連合会(JA全農)などの大規模集荷業者が確保する量は減少している現象が「消えたコメ」として注目を集めています。農林水産省は、流通各段階(集荷、卸売、小売)においての在庫状況を調査し、その結果を発表しました。調査によると、生産者の在庫は9万トン、卸売業者で3万トン、小売や外食業者で7万トン、消費者で4万トンそれぞれ前年より増加していることが判明しました。農水相は、先を見越して米を確保する動きが影響していると指摘。さらに、生産者からの出荷量は大幅に減ったものの、他の取引ルートを通じた出荷が増えていることから、コメは多様な流通経路に乗っているとしています。政府備蓄米の放出が実施されており、一部では市販価格よりも少し安く流通する見込みです。備蓄米の市場放出による影響で、価格は少なくとも4月中旬までには100〜200円程度下がるとの予測もありますが、消費者心理の動向により再び価格が上昇する可能性も指摘されています。中長期的な増産が求められる状況です。
日本株全体への影響
コメ価格の高止まりと生産から消費にかけての在庫増加は、農業関連企業や食品関連株に直接的な影響を与えるでしょう。政府備蓄米の放出による価格下落予想は、消費者の購買意欲を高める可能性があり、関連企業の収益改善が見込まれます。しかし、長期的な需給バランスや消費者心理の変動が依然として不安材料であるため、日本株全体への影響度は中程度となります。評価としては+2とします。
日本の個別株への影響
1. たんぱく質(2915・東証一部)
評価:+3
予想解説
米の価格下落は、消費者の好影響を与えるため、家庭用食品の需要が増加し収益改善が期待される。
2. 日本農産(7507・東証二部)
評価:+4
予想解説
農産物卸売業者として、コメ流通への影響が大きく、価格安定化で取引が活発になる可能性が高い。
3. マルハニチロ(1333・東証プライム)
評価:+2
予想解説
食品製造業としてコメが原材料であり、市場価格が安定すると原材料費が抑えられ、利益が期待できる。
4. イオン(8267・東証プライム)
評価:+1
予想解説
大手小売業として、コメ価格の下落が安定することで大規模販売の増加が見込まれるが、他の影響も。
5. キユーピー(2809・東証プライム)
評価:-1
予想解説
米を使用する商品のみならず、他の材料価格の不安定化が影響し、収益にマイナスの影響を及ぼす可能性がある。
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