ニュースの要約
- カシオ計算機が電子辞書の新規開発を停止することを発表。
- スマートフォンやタブレットの普及により、電子辞書の需要が急減。
- カシオの「EX-word」は市場での認知度が高いが、他の電子辞書メーカーも販売台数が大幅に減少。
- パソコンやタブレット向けに辞書機能を含む教育アプリにシフトする計画。
- 2025年度には新製品の発売を見込むが、現行モデルは需要に応じて販売を継続。
ニュースの概要
カシオ計算機は2023年11月14日、電子辞書「EX-word」の新規開発を終了することを発表しました。これは、近年のスマートフォンやタブレットの普及に伴うもので、学校においてもデジタル端末が使用される機会が増加し、電子辞書の需要が急激に減少していると背景があります。調査会社BCN総研によると、2024年における国内の電子辞書販売台数の約80%はカシオが占めているものの、全体の販売台数は2019年と比較して70%減少したとのことです。カシオは、この市場の変化に対応するため、電子辞書からパソコンやタブレット向けの辞書機能をもとにした教育アプリの提供に計画をシフトさせることにしました。これにより、将来に向けた新たなビジネスモデルを構築する考えです。2025年度までは新たな製品は投入せず、現行のモデルについては需要に応じて生産・販売を続行する予定です。この状況は、教育市場におけるデジタル化の進行を示しており、電子辞書市場全体が縮小する中で、カシオはさらなる方向転換を強いられていると言えます。
日本株全体への影響
カシオの発表は、電子辞書市場の縮小を示しており、特にデジタル化が進む現代の教育市場において、自社製品の競争力が低下していることを浮き彫りにしています。この影響は日本全体のテクノロジーや教育関連株に波及する可能性があります。市場の不安定要因として、企業のシフトが必要不可欠であることが示されており、一定の警戒感が広がるでしょう。そのため、全体としてはマイナスの影響が考えられ、特に関連業種への影響も考慮すると、日本株全体は若干の下落を予測します。
評価:-2
日本の個別株への影響
カシオ計算機(6952・東京証券取引所)
評価:-4
予想解説
カシオの新規開発停止は、同社の成長見通しを暗くし、株価には大きなマイナス要因と考えられます。特に今後の収益構造の不透明感が高まり、投資家心理に影響を及ぼすでしょう。
リコー(7752・東京証券取引所)
評価:-2
予想解説
リコーも教育分野に進出しているため、カシオの動向は同社にとっても警戒すべき点です。デジタル化の流れを受け、逆風はあるものの需要の多様化により影響は限定的かもしれません。
ソニーグループ(6758・東京証券取引所)
評価:+1
予想解説
ソニーはデジタルコンテンツや学習アプリに強みがあるため、カシオの発表が逆にソニーのサービス利用を後押しする結果になる可能性も考えられます。
ヤマハ(7951・東京証券取引所)
評価:0
予想解説
ヤマハは音楽教育事業に注力しており、カシオの影響を受けづらいと見ますが、全体の市場状況を見ると中立的な姿勢を取る必要があるでしょう。
任天堂(7974・東京証券取引所)
評価:+2
予想解説
教育向けのデジタルゲームを展開する任天堂は、学生のニーズの変化を利用するチャンスが盗めるかもしれません。カシオの戦略転換が任天堂に対する需要を促進させる要因となる可能性があります。
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