ニュースの要約
- 日本の2024年のエンゲル係数が2021年以来43年ぶりの高水準で28.3%となった。
- 消費者物価指数の上昇により、食費が高騰し、実質賃金は3年連続で減少。
- 家計の消費支出は実質で前の年と比較して1.1%の減少が見込まれる。
- 消費者の節約志向が高まっており、買い物の工夫や情報共有が広まっている。
- 食料品の値上げが今年も続く見込みで、家計への影響が懸念される。
ニュースの概要
日本の消費支出に占める食費の割合を示すエンゲル係数が2024年に28.3%に達し、1981年以来の高水準となった。この値は、生活のゆとりを示す指標であり、高いほど貧しいとされる。特に、日本は主要先進国の中でエンゲル係数が最も高いことが報告されている。要因としては米や野菜などの食料品の高騰が指摘され、消費者物価指数が前年より27.7%上昇するなど、特に天候不順が影響している。また、賃上げの効果は薄く、実質賃金は3年連続でマイナスである。厳しい経済環境の中、消費者は節約志向を強めており、家計調査によると月額の平均消費支出は前の年と比べて1.1%減少すると予想されている。節約のために主婦たちが自ら工夫し合う様子も取材され、コミュニティでの情報共有が重要視されている。今年も多くの飲食料品が値上げされる見通しで、家計への影響がさらに強まることが懸念されている。「貧困化」への危機感が高まる中、消費者がどのように工夫を凝らしながら生活していくのか、引き続き注視が必要である。
日本株全体への影響
日本全体の経済指標としてエンゲル係数の上昇は、消費者の購買力の低下を表しており、企業の売上や利益に悪影響を及ぼす可能性がある。特に、食関連企業や小売業での影響が顕著になると考えられ、投資家はその点に注意を向けることが必要だ。また、実質賃金の減少や生活費の高騰により消費は冷え込み、それが企業全般の業績に響くため、日本株全体の上値が重くなるリスクが高まっている。そのため、全体としてはやや弱気な展開が続くと予想し、評価は-3としたい。
日本の個別株への影響
株式会社マルハニチロ（1333・東京証券取引所）
評価：-4
予想解説
食料品の高騰により消費者の購買意欲が低下する中、同社の利益が圧迫される可能性が高い。特に家庭向けの製品が影響を受けるだろう。
株式会社イオン（8267・東京証券取引所）
評価：-3
予想解説
小売業としてのイオンも、エンゲル係数の上昇と実質賃金の減少により、消費が冷え込み、売上に対する影響が懸念されるため弱含みの展開を予想。
株式会社サントリーHD（2587・東京証券取引所）
評価：-2
予想解説
食費の割合が増える中で、アルコール類への消費が減少すると予想され、これが業績に響く可能性がある。ただしプライベートブランドなどへのシフトが期待できる。
株式会社ロイヤルホールディングス（9726・東京証券取引所）
評価：-1
予想解説
飲食業界は全体的に厳しい状況が続くと考えられるが、既存客の維持に成功する可能性があるため、比較的影響は小さいと見込む。
株式会社セブン＆アイ・ホールディングス（3382・東京証券取引所）
評価：-3
予想解説
エンゲル係数の上昇が影響し、消費者の外食控えにより業績に影響が出ると予想され、コンビニ業態にも痛手となる可能性がある。
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