DeepSeek、米で対応分かれ政府警戒も企業導入｜株価への影響

ニュースの要約

• 中国のAIスタートアップ「DeepSeek」がセキュリティ攻撃を受けている。
• 米国のサイバーセキュリティ企業が同社の個人情報保護の脆弱性を指摘。
• 米国政府、イタリア、イギリスなどがDeepSeekへのアクセス遮断を進めている。
• 日本の政府関係者は注意深い対応を表明。
• ただし、米国の一部企業はDeepSeekを導入している。

ニュースの概要

中国のAIスタートアップ企業「DeepSeek」は、生成AIサービスが急速に普及する中、サイバー攻撃の増加に直面している。特に、米国の複数のサイバーセキュリティ企業がDeepSeekの個人情報保護に関する脆弱性を指摘し、その結果として、数百社の企業がDeepSeekへのアクセスを遮断する事態に至った。これにより、米国政府や軍当局も段階的にDeepSeekの提供するサービスへのアクセスを制限しつつある。また、イタリアやアイルランド、英国などの国々もDeepSeekに対する調査やアクセス遮断を開始し、国際的なセキュリティ問題として浮上している。

一方で、米国の企業たちはDeepSeekの技術を活用する動きも見せている。マイクロソフトは、自社のAI開発プラットフォーム「Azure AI Foundry」にDeepSeekの推論モデル「DeepSeek-R1」を統合し、顧客企業が利用できるようにした。そのほかにも、NVIDIAやインテル、AWS、AMDなどが自社製品の中にDeepSeekを導入している。この両面の動きは、将来的なAI技術の普及と、それに伴うセキュリティ問題の扱いにおいて重要な兆候となる。

日本においては、林芳正官房長官が記者会見でDeepSeekの生成AIサービスに関する国際的な動向に注視する意向を示したものの、特段の対応策はまだ決まっていないという状況だ。こうした背景から、日本市場におけるAI企業やサイバーセキュリティ企業の動向が注目される。

日本株全体への影響

日本市場全体においては、グローバルなテクノロジー企業に対するセキュリティリスクが浮き彫りになったことで、一時的に市場の調整が予想される。特に、AI技術やデータセキュリティを扱う企業が多く含まれるため、これらに対する懸念が直接的な影響を及ぼす可能性が高い。また、外国企業が中国企業に対して警戒を強める中で、日本の企業も同様の対応が求められることから、投資家のリスク回避が進むと考えられる。

したがって、日本株全体の影響評価は「-2」に設定する。

日本の個別株への影響

ソフトバンクグループ（9984・東証プライム）

評価：-2

予想解説

AI技術に関与するが、中国企業への依存度が高まることで、リスクを懸念され株価が下がる可能性がある。

NEC（6701・東証プライム）

評価：+1

予想解説

サイバーセキュリティ事業の強化が期待され、プラスの影響があるかもしれないが、大きな変化は見込みにくい。

富士通（6702・東証プライム）

評価：+2

予想解説

セキュリティ対策を強化しているため、DeepSeekの問題を逆手に取り、業績を伸ばす可能性がある。

デジタルガレージ（4819・東証グロース）

評価：+3

予想解説

データセキュリティ分野での取り組みが評価される可能性があるため、株価は上昇するかもしれない。

暗号資産関連銘柄（特にマネックスグループ（8698・東証プライム））

評価：-3

予想解説

セキュリティ面での懸念から投資家が慎重になる可能性が高く、株価が下がるリスクがある。