ニュースの要約
- 2024年度の新卒初任給は中小企業で21万8118円で、3.1%増加。
- 大企業の初任給は30万円台が一般的で、中小企業とは格差がある。
- 中小企業の賃上げが進まない理由は、現社員の賃金が十分に上がっていないため。
- 初任給の引き上げは全社員の賃金引き上げにつながるリスクがあり、中小企業は慎重。
- 中小企業の賃上げ競争が大企業に追いつかず、格差が広がる懸念。
ニュースの概要
日本の企業における新卒初任給の動向について、民間シンクタンクである産労総合研究所が発表した調査によると、2024年度の中小企業における初任給は、21万8118円で前年度から3.1%増加した。しかし、この水準は依然として大企業の30万円台には遠く及ばない。中小企業が初任給を大幅に引き上げられない背景には、現社員の賃金改善が十分に進んでいないことが挙げられる。コスト上昇に対する価格転嫁率は49.7%といまだ「道半ば」であり、中小企業は賃上げに苦しんでいる現状がある。
日本商工会議所の小林会頭は、初任給を引き上げることによる影響について、全社員の賃金も引き上げる必要が生じ、公平感が損なわれると警告している。さらに、大和総研の神田シニアエコノミストは、2025年度までの初任給の引き上げについて中小企業も前年度並みやそれ以上と見込んでいるが、大企業との賃金格差は拡大する傾向にあると述べている。このように、中小企業の初任給の引き上げは慎重にならざるを得ず、若年層の人材確保には困難が伴う。
日本株全体への影響
日本全体の株式市場においては、中小企業が賃上げ原資を確保できないことが明らかになったことで、投資家の心理にはマイナスの影響があると予想される。中小企業の厳しい状況は経済全体の需要にも影響を及ぼす可能性があり、業績が悪化すれば、全体の株価に下押し圧力がかかる。それにもかかわらず、他の大企業が賃金を引き上げることで消費が促進される可能性もあるため、全体的な影響はやや限定的と考えられる。評価としては、-2と予想する。
日本の個別株への影響
任天堂株式会社(7974・東証1部)
評価:+1
予想解説
任天堂は新製品の発売やサービスの拡充で成長を続けているが、賃上げに対する消費者心理の影響を受ける可能性がある。
トヨタ自動車株式会社(7203・東証1部)
評価:+2
予想解説
賃金引き上げが消費を後押しする可能性があり、トヨタの業績にはポジティブな影響を与えると考えられる。
ソフトバンクグループ株式会社(9984・東証1部)
評価:-1
予想解説
中小企業の苦境により全体経済の鈍化が懸念され、投資によるリターンが圧迫される可能性がある。
アステラス製薬株式会社(4503・東証1部)
評価:+3
予想解説
健康関連の需要は変わらず安定しているため、アステラスには継続的な成長が期待できる。
日本電信電話株式会社(9432・東証1部)
評価:+2
予想解説
デジタル化の進展に伴い、通信の需要が見込まれ、安定的な成長が期待される。
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