5%賃上げの影響、大企業だけでは意味が無い｜株価への影響

ニュースの要約

• 中小企業の賃上げが日本全体の景気に与える影響が指摘された。
• 大企業では賃上げを予定しているが、中小企業の状況がカギになる。
• 2025年のインフレ率は2％台と予想され、物価上昇が続く。
• 実質賃金は依然としてマイナスの状況が続いている。
• 消費者物価の下落は考えにくく、企業の値上げ意向が高いことが強調されている。

ニュースの概要

2025年の日本経済に関する見通しが示され、中小企業の賃上げが景気に与える影響が重要視されています。経営コンサルタントの小宮一慶氏は、中小企業が日本の99％を占め、そこでの賃上げが働く人々の生活を直撃すると述べています。大手企業では賃上げの動きが見られ、すかいらーくホールディングス、住友化学、アサヒグループホールディングスなどがそれぞれ6.4％、5.5％、6％の賃上げを予定しています。しかし、日本全体の賃上げ率がインフレを上回ることができなければ、実質賃金はマイナスとなるため、景気は上向かないと懸念されています。

労働市場の状況や物価上昇は企業の賃上げ方針にも影響を及ぼしており、75％の従業員が中小企業で働く現状では、賃上げによる消費の活性化が難しい状況です。さらに、インフレ率が2％台で安定する見込みがあり、サービス価格の上昇も予測されています。これにより、企業の価格転嫁が進むと考えられ、消費者物価が長期的に安定しにくい状況が続く見込みです。

今後の日本経済には、賃上げが実質的に物価上昇に追いつくことが求められており、特に中小企業の取り組みが重要なカギとなります。

日本株全体への影響

日本株全体に対しては、賃上げの期待感が大企業を中心に高まっているものの、中小企業の賃上げが依然として不透明であるため、長期的な景気の回復には時間がかかると予想されます。このため、株式市場は慎重な姿勢を保つ可能性が高く、全体的には横ばいか緩やかな上昇が見込まれます。特に、賃上げの実現とそれによる消費促進がなければ、持続的な景気回復は難しいため、評価は+2とします。

日本の個別株への影響

すかいらーくホールディングス（3197・東証1部）

評価：+4

予想解説

賃上げを表明した同社は、消費行動の活性化による売上増加が期待され、株価は上昇傾向になると考えられます。

住友化学（4005・東証1部）

評価：+3

予想解説

賃上げ率が高く生産性向上の取り組みが進めば、利益拡大の期待が高まります。株価にもポジティブな影響があるでしょう。

アサヒグループホールディングス（2502・東証1部）

評価：+3

予想解説

賃上げ施策が消費者の支持を得ることで、長期的なブランド力強化につながり、株価にもプラス要因となるでしょう。

イオン（8267・東証1部）

評価：+2

予想解説

パート従業員の時給上昇は短期的なコスト増を伴いますが、長期的な顧客の購買力向上を期待し、株価は概ね安定すると予想。

トヨタ自動車（7203・東証1部）

評価：+1

予想解説

賃上げが進めば消費者の購買力が支えられるものの、自動車産業全体の景気回復には不透明感が続き、株価は限定的な上昇が見込まれます。