日鉄、USスチール買収提案に米政府が拒否権｜株価への影響

ニュースの要約

• 日本製鉄がUSスチールの買収計画を進行中。
• 米政府に鉄鋼生産能力削減に対する拒否権を付与する案を提示。
• バイデン大統領が買収計画に反対しているが、安全保障上の懸念を払拭する考え。
• プランは、10年間米政府の承認なしに生産能力を削減しないことを含む。
• CFUSは安保上のリスクを認識しつつも、結論を出せずにバイデン氏に判断を委ねた。

ニュースの概要

日本製鉄が米国のUSスチールの買収を計画しており、その進展が米政府との交渉にかかっています。日本製鉄は、行政に対する安全保障上の配慮を示すため、米国内の鉄鋼生産能力削減に関する拒否権を提案しました。この提案により、将来的に生産能力を削減する際には米政府の承認が必要となります。この戦略は、バイデン政権が懸念する国内の鉄鋼生産減少という安全保障リスクを軽減するためのものであり、周辺ではそれが受け入れられるかどうかの判断が分かれています。実際、米国の対米外国投資委員会（CFIUS）は、日本製鉄の買収案を厳しく審査しており、主に国内生産への影響や安保上のリスクを考慮しています。バイデン氏はこの買収計画がもたらす影響を分析し、1月7日までに最終判断を行う予定とされています。

このニュースは、日本製鉄にとっては重要な転機であり、米国市場への進出が期待される一方で、政府の承認を得ることが大きな障害となっています。バイデン政権の態度によっては、日本の製鉄業界全体にも影響を及ぼす可能性があるため、注意深く注視する必要があります。

日本株全体への影響

日本株全体に対する影響は限られるものの、特に資源関連株や輸出関連株には注意が必要です。日本製鉄の動きが米国でのビジネス展開に影響を及ぼす場合、個別の株式市場に対しては影響が生じるでしょう。しかし、全体的には米国の政策変動に対する警戒感が強く、ネガティブな雰囲気が広がる可能性もあります。そのため、日本株全体としてはやや弱含みの展開が予想されます。

評価：-2

日本の個別株への影響

日本製鉄（5401・東京証券取引所）

評価：-3

予想解説

USスチール買収計画が不確実な中、日本製鉄の株価は売り圧力が強まる可能性があります。特に政府の承認が下りない限り、将来的な成長の見通しが不明瞭となるでしょう。

JFEホールディングス（5411・東京証券取引所）

評価：-2

予想解説

競合他社として、JFEも米国進出を狙っているため、日本製鉄の動向によって影響を受けるでしょう。市場のセンチメントが悪化すれば、株価も圧迫される可能性があります。

新日鉄住金（5405・東京証券取引所）

評価：-2

予想解説

新日鉄住金も鉄鋼セクターの大手であり、鉄鋼需要の変動に影響されます。米国市場の動揺が続けば、株価にもネガティブな影響が及ぶでしょう。

三菱商事（8058・東京証券取引所）

評価：-1

予想解説

資源商社としての側面から、米国の鉄鋼市場に間接的な影響を受けるキーパートナーとなるため、やや弱含みが予想されますが、他の事業により全体的な影響は限定的です。

信越化学工業（4063・東京証券取引所）

評価：+1

予想解説

鉄鋼業界以外の成長性が高い信越化学工業にとっては、中長期的には米国情勢に直接的な影響を受けにくく、安定した業績が期待されるため、比較的プラスの見通しが持てます。