ニュースの要約
- 日銀が2024年9月中間決算を発表
- 保有国債の含み損が過去最大の13兆6604億円に達した
- 金利上昇により国債の評価額が下落した
- 日銀は国債の満期保有を前提とする会計処理を採用
- 利上げに伴う当座預金への利払いが急増、経常赤字の懸念も
ニュースの概要
日銀が27日に発表した2024年9月中間決算に関するデータによると、同年9月末時点での保有国債の含み損は、13兆6604億円となり、前年同期の10兆5000億円を上回り過去最大を記録しました。この増加は、日銀の利上げによる長期金利の上昇が主な要因であり、特に新発10年物国債の利回りは0.7％台前半から0.8％台半ばに上昇しました。これにより国債の時価が簿価を下回り、評価損が拡大しました。日銀はこの状況にもかかわらず、「政策運営能力に支障が生じることはない」との見解を示しています。しかし、利上げに伴う金融機関への預金の利払い増加は、日銀の財務状況を圧迫し、利払い費は前年同期の920億円から3922億円に急増しました。これにより、経常赤字に陥る可能性が指摘されており、日銀の財務状況に対する不安が高まる中、債券や為替市場への影響も懸念されています。全体として、日銀の政策運営に常に注視が必要であり、これが国内の経済状況や金融市場にどう反映されるかが大きな焦点となります。
日本株全体への影響
日本株市場全体においては、日銀の含み損の拡大や利上げの継続方針が対照的に、投資家心理への影響を与えると予想されます。含み損が膨らむことで日銀の信用が低下し、金融市場への不安感が高まる可能性があり、これが投資家のリスク回避姿勢を助長し、株価全体を押し下げる要因となるでしょう。このため、日本株市場全体の下落が懸念されるため、評価は「-3」とします。
日本の個別株への影響
トヨタ自動車（7203・東証一部）
評価：(-2)
予想解説
国債の評価損が増加することで、円安傾向が続き、トヨタの輸出競争力が影響を受けると考えられます。ただし、世界的なEVシフトや自動運転技術の進展で一定の需要が見込まれるため、大きな下落には繋がらないと予想されます。
ソフトバンクグループ（9984・東証一部）
評価：(-3)
予想解説
高金利が続くことで、新規投資へのハードルが上昇し、成長が鈍化するリスクが予想されます。特に米国での投資活動が多いため、影響が大きいでしょう。
任天堂（7974・東証一部）
評価：(-2)
予想解説
為替相場が円安方向に進むことが予想され、海外売上比率の高い任天堂にとってはプラス要因となりますが、全体的な経済の不安定さによる消費支出の減少が懸念されます。
キーエンス（6861・東証一部）
評価：(-1)
予想解説
景気動向に敏感な産業向けの製品を扱うため、業績への影響はありそうですが、基盤が強固であるため大きな下落には至らないと見られます。
ファーストリテイリング（9983・東証一部）
評価：(-3)
予想解説
消費支出の減少が予想されるため、国内外ともに厳しい販売環境が続く見通しです。特に円安も影響し、原材料費の高騰が懸念されています。
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