ニュースの要約
- 2023年上半期、東京首都圏の新築マンション価格が過去最高に。
- 外国人富裕層による購入が価格上昇の一因。
- 建設コストの上昇も影響。
- 日本の不動産が海外主要都市に比べて低価格で取得しやすい。
- 海外では外国人購入規制の動きが見られる。
ニュースの概要
2023年の上半期における首都圏の新築マンション価格が過去最高値を記録した。東京23区内では、一般家庭には手が届きにくい価格帯にまで達しており、この現象は主に建設コストの上昇と外国人富裕層による物件購入の急増が背景にある。特に、東京23区内の2億円以上の物件の購入者の中で、外国人が占める割合が増加しているとされ、ある大手住宅メーカーによると、3億円以上の物件では外国人の購入者が多いと報告されている。三菱UFJ信託銀行のアンケートでは、千代田区、渋谷区、港区の物件における外国人買い主の割合が、9社中5社で3割以上、1社では5割以上に達しているとのこと。この現象は、昨年の海外投資者による不動産購入額が前年比約63%増加し、9397億円に達したことからも伺える。
日本の不動産市場が外国人投資家にとって魅力的であるのは、主要都市の物件価格が世界的に見ると安価であり、さらに外国人が日本の不動産を永続的に所有できる点が挙げられる。対照的に、シンガポールやオーストラリアなどでは、外国人による不動産取得に厳しい規制が設けられており、これが日本の物件への投資を加速させる要因となっている。ただし、今後海外の住宅市場では外国人購入規制の導入が進む可能性があり、それが日本の不動産市場にどのように影響を与えるか注視する必要がある。
日本株全体への影響
日本の不動産市場が高騰することにより、建設関連株や不動産セクター全体が恩恵を受けると予想され、大手不動産業者の株価は上昇する可能性が高い。一方で、一般家庭にとって住宅が手に入れにくくなることは、消費者心理の冷え込みを引き起こす可能性があり、これは住宅関連サービスや消費に影響を及ぼす。全体として見た場合、堅調な不動産市場は投資家心理を支える要因となり、投資資金が流入することから株価はさらなる上昇を見込むが、消費者への影響を考慮して、プラス評価は控えめになる。評価は＋3と判断する。
日本の個別株への影響
三菱地所（8802・東証プライム）
評価：＋4
予想解説
外国人購入者の活発な動きが追い風となり、販売が好調で利益増加が期待される。
野村不動産ホールディングス（3231・東証プライム）
評価：＋4
予想解説
新築マンション価格の上昇が同社の売上を押し上げ、積極的な販売戦略による成長が期待される。
住友不動産（8830・東証プライム）
評価：＋3
予想解説
建設コストの上昇が利益率に影響を与える見込みだが、不動産需要の堅調さが追い風となる。
タムロン（7740・東証スタンダード）
評価：＋2
予想解説
外国人富裕層の需要増加が影響し、業績への波及効果が見込めるが、他セクターへの影響が厚くなる可能性。
積水ハウス（1928・東証プライム）
評価：＋3
予想解説
新築需要の増加が寄与して業績改善が期待でき、特に注目される物件が多い区域での成長が見込まれる。
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