ニュースの要約
- 2024年度の経営コンサルタント業の倒産件数は151件で、前年度比3.4％増。
- 過去最多の倒産件数を更新し、2005年度からの調査では最高値。
- 倒産の多くは「不況型倒産」で、販売不振や赤字が主な原因。
- コンサルタント業は競争が激化しており、専門性が求められている。
- 中小コンサルタントは特に経営が厳しく、再建が困難な状況。
ニュースの概要
2024年度における経営コンサルタント業の倒産件数が151件に達し、これは前年度比で3.4％増加したことが明らかになった。これは2005年度から集計を開始して以来の最高値で、特に販売不振や赤字累積といった「不況型倒産」がその大部分を占めている。具体的には、倒産件数の66.2％に当たる100件がこのタイプによるもので、コンサルタント業の厳しい実情が浮き彫りとなった。
経営コンサルタント業界は、DXやM&A支援など専門領域の多様化と顧客ニーズの高度化が進んでおり、従来の経験則のみでは生き残りが難しく、単純な業務はAIに代替されつつある。このような状況下で、多くのコンサルタント会社、小規模事業者が経営難に陥り、特に資本金が1億円未満の企業が大半を占めている。倒産後の再建も厳しい状況で、1件の民事再生にとどまる結果となった。
さらに、コンサルタント業は属人的な側面が強く、優秀な人材の確保や高い付加価値の提供が求められる。このため、多様化する顧客ニーズに応えられないコンサルタントは淘汰される可能性が高く、競争が一層激化することが予測される。
日本株全体への影響
このニュースは、日本株全体に対して警戒感を呼び起こす可能性がある。特に、中小企業やスタートアップを対象としたビジネスモデルを持つ企業に影響を与える可能性が高い。経営コンサルタント業の不振が示すように、経済全般が厳しい状況にあるため、投資家は慎重になるかもしれない。そのため、日本株全体に対してはネガティブな影響を与えると予想される。評価としては「-3」とする。
日本の個別株への影響
TIS株式会社（3626・東京証券取引所）
評価：-2
予想解説
デジタル化支援を手掛けるTISは、経営コンサルタント業の不振により影響を受ける可能性があるが、IT分野での強みを生かすことで一定の評価を維持できるだろう。
リンクアンドモチベーション株式会社（2170・東京証券取引所）
評価：-3
予想解説
経営コンサルタント及び人材支援業務に依存する同社は倒産件数の増加により、顧客からの信頼低下が懸念され、株価は下落しそう。
株式会社アビームコンサルティング（未上場）
評価：-4
予想解説
業界全体の競争が激化するなかで、アビームは新規顧客の獲得が難しくなる一方、再建型の要素が少ないため、更なる失業者を生むリスクが株価に影響する。
株式会社マクロミル（2454・東京証券取引所）
評価：-1
予想解説
市場調査業務での需要があるため、大きな影響は受けないが、コンサル業の不振が周辺市場に波及する可能性が否めず、株価はわずかに下がると考えられる。
三菱商事株式会社（8058・東京証券取引所）
評価：-1
予想解説
多岐にわたる事業ポートフォリオを持つ三菱商事は懸念材料を抱えつつも、安定した業績を維持できるため、大きな影響は少ないと見込まれている。
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