ニュースの要約
- 大手企業が4月から新人の初任給を大幅に引き上げる。
- 中堅世代の給与はあまり上がらず、不満が高まっている。
- 企業は人件費抑制のため、ジョブ型賃金の導入を進めている。
- ジョブ型賃金はポストごとに給与が決まるシステムで、職務が変わらない限り固定。
- 賃金制度の変化が企業にとって固定費を変動費化するメリットをもたらす。
ニュースの概要
日本の労働市場では、2024年4月からの新人給与が大手企業を中心に大幅な引き上げが予測されています。この傾向は、一方で中堅層には給与上昇が見られず、ミドル層の反発が強まる原因となっています。人事ジャーナリストの溝上憲文氏は、賃金制度の構造的変化に注目しています。特に、年功型賃金からジョブ型賃金に移行する動きが、企業にとって人件費抑制に有益であり、新人に優遇されがちな給与制度に対する中堅層の不満を助長しています。
ジョブ型賃金は、職務ごとに給与が決まる「仕事基準」の制度で、固定的な年功昇給から脱却するものです。これにより企業側は昇給額を抑え、中期的に人件費を管理しやすくなります。優秀な若手の抜擢も容易になり、人材の質を高める機会も得られますが、これが今後の企業文化や労働環境にも影響を与える可能性があります。中堅層の不満が表面化する中、企業は新たな賃金制度を導入するべきかどうか、さらなる模索が求められます。
日本株全体への影響
この賃金制度の変化は、企業の人件費構造に影響を及ぼし、株価に中長期的な影響を与えると考えられます。ジョブ型賃金の導入が進めば、企業はコストをコントロールしやすくなり、利益率が改善する可能性があるため、全体として株価は上昇しやすくなるでしょう。しかし、同時に中堅世代の不満が企業のパフォーマンスに影響を及ぼすリスクもあります。このため、全体的にはプラスの影響が大きいものの、リスク要因もあるため、あまり楽観的には見られない状況です。評価は「+3」とします。
日本の個別株への影響
ソフトバンクグループ(9984・東証一部)
評価:+2
給与抑制に成功すればコストダウンが期待されるが、中堅層の不満が影響するかもしれない。
トヨタ自動車(7203・東証一部)
評価:+4
人件費構造の見直しが進めば、利益率向上につながる可能性が高い。
キャノン(7751・東証一部)
評価:+1
新卒優遇が中堅層の士気に影響を与える懸念があるが、全体的な業績にはブラス要素が多い。
日立製作所(6501・東証一部)
評価:+3
ジョブ型賃金への移行が成功すれば長期的な成長に寄与する可能性がある。
日本電産(6594・東証一部)
評価:+2
人件費削減の影響を受けつつ、新卒の優秀な人材確保が進むことで多角的な成長が期待できる。
この記事は役に立ちましたか?
もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。