ニュースの要約
- トランプ米大統領が日本製鉄による米USスチール買収計画について否定的な見解を示した。
- 日鉄の買収ではなく「投資」という形になることで合意。
- トランプ氏はUSスチールが米国企業であることを強調。
- 日鉄の巨額の投資についての期待は残っているが、経営権獲得は難しい状況。
- 高関税が米国内の鉄鋼産業を保護するとの認識を示すトランプ氏。
ニュースの概要
トランプ米大統領は、9日の記者会見で日本製鉄（以下、日鉄）が米鉄鋼大手USスチールを買収する計画について言及し、日鉄が同社の株式の過半数を所有することは許されないとの考えを示しました。この発言は、日鉄が経営権を握ることが米国の産業政策に逆行することを示唆し、米国企業の保護の必要性を強調するものでした。トランプ氏は、「USスチールは偉大な企業の一つ」という評価をしつつ、鉄鋼の輸入に対する高関税が国内産業を守る手段として重要であると述べました。
一方で、日鉄は当初の計画を見直し、USスチールの株式過半数の取得を目指すのではなく、投資という形で関与する方針になりました。この変更は、トランプ氏と石破茂首相との7日の会談を受けて決定されました。日鉄は取締役の過半数を米国籍の者で構成するなど、譲歩策を示していますが、米国の企業保護政策が影響力を持つ状況下では、今後も慎重に交渉を進める必要があります。米国政府の意向に従わなければならない日本企業にとって、これまでの買収計画が大きな逆風に直面していることが明らかになりました。
日本株全体への影響
日本株全体においては、投資やM&A活動に対する慎重さが増す可能性が高まり、市場は一時的な不安定要因を抱えることになります。特に、国際的な取引に依存する企業や企業間関係を築く上で米国政府の意向に配慮しなければならない企業にとってのリスクが増大し、その結果、株価にマイナスの影響が及ぶ可能性が高いです。しかし、日鉄のUSスチールへの投資が実現することで、鉄鋼業界自体には長期的にはプラス要因と捉えられるかもしれません。この状況を受けて、日本株全体では不安定な状況が続く可能性があるため、評価は-2となります。
日本の個別株への影響
日本製鉄（5401・東証一部）
評価：-3
予想解説
日鉄にとって国際的な進出が難航する中、株価は短期的に下落圧力を受ける可能性が高い。投資判断の見直しが必要となる。
JFEホールディングス（5411・東証一部）
評価：-2
予想解説
USスチール買収の流れが変わることで、競合他社との競争が厳しさを増し、株価に悪影響が及ぶ可能性がある。
神戸製鋼所（5406・東証一部）
評価：-1
予想解説
日鉄の動向が波及する中、短期的には影響を受けにくいが、中長期的にはクラウド化する業界競争で課題が続く見込み。
住友金属工業（5405・東証一部）
評価：-2
予想解説
トランプ政権下での厳しい政策に翻弄される可能性があり、業種全体に影響が及ぶため株価に下押し圧力。
ユニチカ（3103・東証一部）
評価：+1
予想解説
鉄鋼業からの影響が少なく、市場が安定すれば相対的に投資対象として見直される可能性もあるため、軽微な上昇を予想。
カテゴリ：マーケット・株式
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