ニュースの要約
- 米インテルが2024年12月期決算で38年ぶりの通期赤字。
- 純損益は約2.9兆円の赤字で、4四半期連続赤字を記録。
- AI向け半導体でエヌビディアに大きく遅れをとる。
- ファウンドリー事業でも台湾TSMCに対抗できず苦境に。
- インテルのリストラやトップ辞任でも回復の見込みは薄い。
ニュースの概要
米半導体業界をリードしてきたインテルが2024年12月期の純損益で約2.9兆円の赤字を計上し、38年ぶりに通期赤字となった。この赤字はAI向け半導体の市場競争においてエヌビディアに後れを取り、同時にファウンドリー事業において台湾のTSMCに対抗できないという事実によりもたらされたものである。特に、インテルは過去数年間にわたりAI技術に対する適応が遅れ、エヌビディアのデータセンター向けAI半導体市場のシェアを奪取できずにいる。これにより収益の元であったPC市場でも苦戦が続いている状況である。トップの辞任や大規模なリストラを行ったにもかかわらず、インテルが持つ立て直しの戦略は明確ではなく、将来の見通しに対する投資家の信頼は低下している。半導体市場は技術革新のスピードが速く、企業が競争力を維持するためには迅速な対応が求められる。このような背景において、インテルの成長は厳しい道のりが予想され、これが日本の株式市場にも影響を及ぼす可能性がある。特に半導体関連の企業にとっては、競合他社が優位に立つ中での戦略を見直さなければならないリスクが浮上している。
日本株全体への影響
インテルの苦境は、半導体産業全体への影響を通じて、日本株市場にも波及効果がある。特に、半導体関連株やテクノロジー企業は競争環境の変化に敏感であるため、投資家は需給や業績予想の見直しを迫られる可能性が高い。また、米国市場の反応によっては、日本市場にも売り圧力がかかる恐れもあるため、全体としては慎重な見方が広がる可能性がある。こうした要因を考慮して、今後の日本株全体の動きは一時的な下落を示すと考えられる。評価は(-3)と予想する。
日本の個別株への影響
日本電産(6594・東証プレミア)
評価:(-2)
予想解説
半導体関連の需要減から、日本電産の受注が影響を受ける可能性が高い。特に工業用モーターの供給において影響が出ると予想されるため、慎重な姿勢が求められる。
アドバンテスト(6857・東証一部)
評価:(-2)
予想解説
半導体検査装置メーカーとしての受注減が懸念材料。しかし、長期的なテクノロジーの進化に支えられたビジネスモデルのため、大きな株価変動はないとみる。
ローム(6963・東証一部)
評価:(-1)
予想解説
半導体の需要は多様化しているものの、特に電子機器向けでは堅調な需要があるため、影響は比較的小さいと考えられる。
古河電気工業(5801・東証一部)
評価:(-3)
予想解説
インテルの影響を受けたサプライチェーンの混乱があるため、業績への影響が懸念される。ただし、他の事業セグメントにおいては安定した需要が見込まれる。
ファナック(6954・東証一部)
評価:(-1)
予想解説
自動化に向けた需要は依然として強いが、AI関連の半導体需要に対する影響が懸念される。しかし、長期的には回復の兆しが見えるため個別に注視したい。
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