ディープシーク利用制限へ 世界で数百件、中国情報流出懸念｜株価への影響

ニュースの要約

• 中国の新興企業「DeepSeek」が開発した生成人工知能（AI）について、利用制限の動きが広がっている。
• 米カリフォルニア州の企業アーミスなどが、ディープシークの利用制限を求めている。
• 顧客の70％がこの利用制限を望んでいるとのこと。
• 情報漏えいやプライバシーの懸念が背景に存在。
• 中国の国家情報法により、企業は政府による情報活動への協力を義務付けられている。

ニュースの概要

中国の新興企業DeepSeekが開発した生成人工知能（AI）に関する利用制限の動きが広がっている。米国に本社を置くサイバーセキュリティー企業・アーミスは、政府関連の多くの顧客がDeepSeekの利用を制限するか、完全に遮断する方針を示しているという。ブルームバーグによると、アーミスの顧客の約70％がこの制限を求めており、別のサイバーセキュリティー企業・ネットスコープでは52％がサイトへの接続遮断を行っているという。このような動きの背景には、AIが中国政府に情報を漏えいする懸念とプライバシーの侵害がある。特に、中国の国家情報法は企業に対して政府の要請に応じる義務を課しており、これが国際的な企業にとってさらなるリスク要因となっている。この状況は、中国企業との取引や協力を考える多くの企業に影響を及ぼすと同時に、AI技術の利用に対する国際的な信頼感を揺るがしかねない。技術の急速な発展とそれに伴うリスク管理の重要性が浮き彫りになり、今後のビジネス環境や関連する規制を考える上で重要な課題となるだろう。

日本株全体への影響

今回の状況は、日本を含む国際的なビジネス環境におけるAI技術の利用に対する警戒感を強まらせる可能性がある。特に、個人情報の保護や業務上のリスクが懸念される中、日本企業も同様の対策を講じる必要が生じるかもしれない。この流れは一時的に日本株に対して負の要因となるが、長期的には技術の進展を考慮し、新たなセキュリティ対策を講じることで、企業の競争力向上につながる可能性がある。全体として短期的にはマイナスの影響を予想するが、テクノロジー企業やネット関連株がその影響を軽減できるかもしれない。
評価としては、-2と予測する。

日本の個別株への影響

ソフトバンクグループ（9984・東証プライム）

評価：-3

ディープシークの動向は、AI関連事業を展開するソフトバンクに影響を与える可能性がある。政府による監視や規制強化が懸念され、株価が下落する可能性が高い。

ヤフー（4689・東証プライム）

評価：-2

プライバシー問題の拡大はヤフーのデータビジネスに対する信頼感を損なう恐れがあり、短期的なお客様の利用数に影響が出る可能性がある。

富士通（6702・東証プライム）

評価：-1

サイバーセキュリティーサービスを提供する富士通は、むしろこの流れの中で需要が強まるかもしれないが、全体的な投資心理には影響を与えることが予想される。

NEC（6701・東証プライム）

評価：-1

同様にAIとセキュリティの分野で活動しているNECも、セキュリティ強化の重要性が認識されることで需要が高まる可能性があるが、現時点では懸念が広がっている状況。

楽天（4755・東証プライム）

評価：-2

情報漏洩についての懸念が高まる中、楽天のプライバシー保護への取り組みが問われる恐れがあり、株価に影響を与える可能性がある。