低所得者支援案の効果薄 103万円の壁を提案｜株価への影響

ニュースの要約

• 国民民主党が基礎控除の引き上げを提案。
• 課税最低限を103万円から178万円に引き上げる減税案。
• 高所得者の手取りが大幅に増加する一方、低所得者の恩恵は少ない。
• 減税による税収損失は約7兆円と予測。
• 現行案では低所得者の消費を促す効果が薄く、経済活性化には不利とされる。

ニュースの概要

国民民主党は、現在の基礎控除を103万円から178万円に引き上げることを提唱し、この減税による納税者の手取り額の増加を狙っています。しかし、この提案には高所得者に対する恩恵が大きく、限界税率が高いほど手取りの上昇が顕著になることが指摘されています。具体的には、限界税率が15%の納税者は税負担が11.25万円軽減される一方、限界税率が43%の場合、手取りは約32.25万円増加します。このため、減税による税収損失は主に高所得者からの税収減に起因し、全体で約7兆円に達する見込みです。また、低所得者に対する恩恵が小さいことも問題視されており、低所得者は課税最低限未満の所得のため、実質的な減税効果を享受できない状態です。さらに、国民民主党案では、低所得者の消費活性化効果が乏しいため、経済全体への効果が期待できないとされています。代替案として、税収を犠牲にせず低所得者の手取りを増やす方法として、基礎年金や医療保険の社会保険を一般財源で賄う方式の導入が提案されています。これにより、低所得者の総負担軽減が図れることが期待されています。

日本株全体への影響

国民民主党の提案は、消費を促進する低所得者の手取り増加にはつながらず、消費市場に対する影響は限られると考えられます。そのため、日本株市場全体への影響は軽微であり、特に高所得層に依存する企業にとってはネガティブに作用する可能性があります。一方、減税効果による購買力の向上が期待できないため、経済全体の成長率も鈍化し、長期的には企業業績にマイナス要因となるかもしれません。したがって、日本株全体への影響は評価が低く、-2と予測します。

日本の個別株への影響

ソフトバンクグループ（9984・東証一部）

評価：-2

ソフトバンクのような高所得者向けの投資商品やサービスを提供する企業には、消費意欲低下の影響が及ぶ可能性があります。格安SIMなどのサービスに対する需要も低下しうるため、株価は圧迫されるでしょう。

トヨタ自動車（7203・東証一部）

評価：-1

自動車産業は消費の影響を強く受けるため、消費が伸び悩むと売上が減少しますが、トヨタはグローバルに展開しているため日本市場の影響は軽微かもしれません。

楽天グループ（4755・東証一部）

評価：-3

低所得者層に依存する料金プランなどが多い楽天は、消費活動の鈍化によって直接的な影響を受ける可能性が高いです。特に中小企業の業績に影響が出ることで、楽天の決済サービスにも打撃が予想されます。

ファーストリテイリング（9983・東証一部）

評価：-1

ファーストリテイリングも消費の影響を受ける業種です。特に、低所得層への影響が顕著であるため、減税効果が乏しい状況では、中低所得者の購買意欲が鈍り、売上への影響が懸念されます。

サントリー（2587・東証一部）

評価：+1

消費に対する影響が予測される中で、飲料業界はある程度安定した需要が見込まれます。健康志向の製品やプロモーションなどにより、景気が悪化した際でも消費者は一定の飲料を必要とするため、成長が期待されます。