ニュースの要約
- 高級ブランド企業は過去20年で業績を次第に向上してきた。
- 2024年の高級ブランド市場は前年比で成長がマイナスに転じる見通し。
- LVMHやケリングの第3四半期決算では売上高が減少。
- 要因は世界的な不況と中国市場の不振、値上げが消費を鈍らせている。
- 高級ブランド商品の価格上昇は顧客の期待に応えられない現状に。
ニュースの概要
過去20年にわたり、高級ブランド業界は順調な成長を続けてきましたが、特に直近の数年は顕著な伸びを見せていました。米コンサルティング会社、マッキンゼー・アンド・カンパニーのデータによれば、高級ブランド業界全体の利益は2019年から2024年の5年間でおよそ3倍になると予測されています。しかし、2024年に入ってからの成長は鈍化し、多くのブランドが第3四半期決算で前年同期比の減少を記録しています。LVMHは3%減、ケリングは15%減という結果です。
主の要因として、世界的な経済不況と特に中国市場の不振が挙げられています。米紙ワシントン・ポストは高級ブランド品の価格が急激に上昇しているにもかかわらず、その品質が値上げに見合っていないとの指摘をしています。HSBCによると、2019年以降高級ブランド商品の平均価格は6年間で60%も上昇しており、特にルイ・ヴィトンやシャネルの代表商品は大幅な値上げが行われています。この価格上昇は粗利益率を向上させる一方で、消費者の意識や市場の期待に応えられないという逆風もあるようです。果たして、高級ブランド市場の底打ちはいつなのか、引き続き注目が集まっています。
日本株全体への影響
高級ブランド業界の成長鈍化は、日本株全体に対して中程度の影響を及ぼすと考えられます。この業界の業績悪化は、特にファッション関連企業や消費財関連企業に対する投資家の信頼を損なう恐れがあります。また、日本は高級ブランド品を多く輸入しているため、輸入関連企業にも逆風となる可能性があります。その一方で、国内消費が重要な国のため、全体としては大きな影響を被ることはないと見込まれます。総合的に評価すると、評価値は-2とします。
日本の個別株への影響
ブランド名(証券コード・上場している市場)
評価:(-2)
予想解説
日本企業のファッション業界では、特に高級ブランド品を扱う企業に対して影響が見られそうです。例えば、ファーストリテイリング(9983)はユニクロブランドが中心ですが、高級ブランド品との競争にさらされているため、同社の成長戦略にも影響が出るでしょう。また、iiWii(6038)のようなプラットフォーム企業も、ラグジュアリーブランドの商品取り扱いが多いため、直接的な影響が懸念されます。
次に、ディスカウントストア業態を展開するマルエツ(8123)は、高級品の不振が家庭の消費動向に影響を与えるため、潜在的な逆風となります。
一方で、取引先の一つにイオン(8267)やドン・キホーテ(7532)がある場合、これらの企業は相対的に安価な商品を提供しているため、需要がシフトする可能性があります。業績回復を図るための方策が求められます。
ブランド名(3227・東京証券取引所)
評価:(-1)
予想解説
貴金属や宝石ブランドに投資している企業にも微妙な影響があります。消費者の高級品への冷静な目が向く中で、供給過剰による過剰在庫が懸念されます。
ブランド名(3038・東京証券取引所)
評価:(-3)
予想解説
高級ファッション中心のブランド展開をしているため、業界全体のマイナスの影響を大きく受ける見込みです。
ブランド名(2914・東京証券取引所)
評価:(+1)
予想解説
飲食業界の一部では需要があるため直接的影響は少ないですが、豪華な食材品の価格上昇は消費者による価値観の変容を促進させます。
ブランド名(9856・東京証券取引所)
評価:(+2)
予想解説
価格が抑えられた日用品やファッションが中心で、一般消費者へのアプローチで利益を得る機会が拡大するかもしれません。
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