ニュースの要約
- 三菱重工業が「三菱スペースジェット(MSJ)」の開発撤退を発表。
- 国産旅客機の開発計画が10年以上の模索の末、消滅。
- 川崎重工業はかつて、小型ジェット旅客機「YPX」の構想を持っていた。
- YPXはP-1の技術を活用し、110~145席クラスをターゲットにしていた。
- 国産旅客機開発への期待が高まるも、実現は困難とされた。
ニュースの概要
三菱重工業は2023年2月、国産ジェット旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」の開発を正式に撤退することを発表しました。この決定により、10年以上にわたる国産旅客機の開発計画は消滅し、今後の新たな開発の計画も存在しないとされています。三菱重工業は過去に旅客機事業に多くの資源を投入していましたが、市場競争の激化と技術的な困難から撤退を余儀なくされた形です。
一方、同じく航空機産業に関わる川崎重工業は、2000年代中頃に小型ジェット旅客機「YPX」の構想を持っていました。YPXは、海上自衛隊の哨戒機P-1の技術を応用し、110~145席クラスの市場を目指すものでした。川崎重工はこうした国産旅客機の開発を悲願とし、設計と製造の基礎固めを進めていましたが、社内の意見として旅客機開発は難しいとの結論に至った経緯があります。これまでの経験から、国産旅客機の開発は今後も厳しい状況が続くと考えられます。
日本株全体への影響
三菱重工の撤退は、日本の航空機産業全体にネガティブな影響を与えることが予想されます。国産旅客機の開発が頓挫したことで、関連産業の期待感が薄れ、株式市場全体の投資マインドにも悪影響を与える可能性があります。そのため、特に航空機産業に関連する株は売り圧力が強まるでしょう。ただ、今後の新たな展開や他社の技術革新によって一時的な調整があった際には、全体の株価に対する影響は改善される可能性も残ります。評価としては、-3とし、悲観的な見方が優勢ですが、将来の新たな技術革新次第で評価が見直される余地があります。
日本の個別株への影響
三菱重工業(7011・東証一部)
評価:-4
予想解説
国産旅客機の開発撤退により、三菱重工に対する信頼感が大きく損なわれ、さらなる株価下落が予想されます。
川崎重工業(7012・東証一部)
評価:-2
予想解説
川崎重工も過去の旅客機構想を思い出され、期待感は薄れるも、他の事業での支えがあるため、下落幅は限定的と考えられます。
川崎重工業(7011・東証一部)
評価:-3
予想解説
航空産業への依存度が高まることで、市場全体への影響を受ける可能性がありますが、その他事業の進展次第で回復の兆しが見えるかもしれません。
ロッキード・マーチン(LMT・NYSE)
評価:+3
予想解説
国際市場において国産機開発の不振は、外資系航空機メーカーに利益をもたらすことが期待され、株価の上昇が見込まれます。
ボーイング(BA・NYSE)
評価:+2
予想解説
国産機開発の撤退により、日本市場での競争が緩和され、ボーイングのシェア拡大につながることが期待されるが、リスク要因もあるため評価は限定的です。
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