ニュースの要約
- 韓国のLGエナジーソリューションが2023年第4四半期に営業損失2255億ウォンを記録。
- 約3年ぶりの大幅赤字で、前年同期比では赤字転換。
- 電気自動車向けのバッテリー需要が減少、供給過剰や固定費負担が収益性を圧迫。
- 米国のインフレ抑制法(IRA)からの補助金が影響するも、将来的な支援に不確実性。
- 二次電池業界全体の厳しい状況が続くと予測。
ニュースの概要
韓国最大手の二次電池メーカー、LGエナジーソリューションが2023年第4四半期に営業損失を記録したことは、同社にとって約3年ぶりの出来事であり、電気自動車(EV)市場における厳しい動向を象徴している。営業損失は2255億ウォン(約240億円)に達し、前年同期比で赤字に転換した。問題の要因には、EV向けバッテリー需要の減少、中国からのバッテリー供給過剰、固定投資費用の増加が含まれる。売上高は前年同期比で19.4%減少し、業界全体が厳しい環境に直面していることが浮き彫りになった。また、米国からの補助金が業績に寄与しているものの、米国政権の変動による補助金支給の不確実性が今後の課題となる。市場では、このような厳しい状況が二次電池業界全般に影響を及ぼすことが予想され、LGエナジーをはじめとした各社の収益性がより一層悪化する可能性が懸念される。
日本株全体への影響
このニュースは、日本株全体に対してネガティブな影響を及ぼすと予想される。特に、日本の電池関連企業や自動車メーカーにとっては、韓国の二次電池業界の弱体化が競争環境に影響を与えるため、株価に下押し圧力をもたらす可能性がある。LGエナジーの大幅な赤字は、同業他社の株価期待感を低下させる要因ともなりかねない。さらに、EV市場自体が需要停滞に直面していることから、国内の関連市場も全般的に悪影響を受けることが考えられる。これらの要因を総合的に考慮し、日本株全体の影響度を-3と評価する。
日本の個別株への影響
トヨタ自動車(7203・東京証券取引所)
評価:-2
予想解説
トヨタはEV市場の先駆者として、LGエナジーの厳しい状況を受けて短期的な影響を受けるが、EVシフトに投資しているため、長期的には成長が見込まれる。
パナソニック(6752・東京証券取引所)
評価:-3
予想解説
パナソニックの電池事業はLGエナジーに依存している面があり、このニュースは直接的な影響を与え、短期的には株価が下がる可能性が強い。
ソニーグループ(6758・東京証券取引所)
評価:-1
予想解説
EVバッテリー市場に参入したソニーにとって、全体の市場環境が悪化することはマイナス要素。影響は受けるが、他事業とのバランスで大きな変動は避けられる見込み。
スバル(7270・東京証券取引所)
評価:-2
予想解説
EV化の進展に伴い、スバルも電池サプライヤーの収益性の悪化には影響を受けるが、全体的な戦略転換を図りつつあるため、一定のカバーが期待される。
京セラ(6971・東京証券取引所)
評価:-1
予想解説
京セラのセラミックスバッテリー技術はOEM供給が多いため、LGエナジーの影響は直接的ではないが、全般的なバッテリーマーケットの動向には無視できない影響がありそう。
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