ニュースの要約
- 厚生労働省が発表した11月の毎月勤労統計調査によると、実質賃金は前年同月比0.3%減。
- 名目賃金は3.0%増で35カ月連続のプラスだが、物価上昇が影響。
- 特別給与の増加は冬のボーナス支給によるもので、7.9%増。
- 消費者物価指数は前年同月比3.4%と上昇し、特に電気・ガス料金が影響。
- 厚労省は12月分に冬のボーナス支給の効果が反映され、実質賃金がプラス転換の可能性があると述べている。
ニュースの概要
厚生労働省の発表によると、2022年11月における日本の実質賃金は前年同月比で0.3%減少しました。この動向は、名目賃金が3.0%増加したにも関わらず、物価上昇率がそれを上回ったことが原因です。特に、電気やガス代の値上がりは家庭の負担を大きくし、これが賃金増加の実質的な価値を減少させる要因となっています。名目賃金の上昇は冬のボーナス支給が寄与しており、特別給与が7.9%増加するなど、一定の経済回復が見られます。しかし、実質賃金が4カ月連続でマイナスを記録していることは、労働者の可処分所得に影響を与え、消費活動を抑制する恐れがあります。厚労省は、12月分のデータにおいて冬のボーナスの影響で実質賃金がプラスに転じる可能性があるとコメントしていますが、物価上昇が継続する限り、一般的な労働者の負担は変わらないという懸念があります。物価上昇が続く中で、購買力の低下がもたらす影響は、企業業績にも波及する可能性が指摘されています。
日本株全体への影響
日本株全体にとっては、実質賃金の減少が消費活動の減退を招く懸念があり、消費関連株にマイナス影響を及ぼすでしょう。一方で、名目賃金の増加が続いている点は株式市場にとって一定の安心材料と捉えられ、特にボーナス支給に伴う企業業績の改善期待から、一部ではポジティブな反応も見込まれます。ただし、持続的な実質賃金の減少は投資家心理に悪影響を及ぼすため、依然として慎重な姿勢が求められます。総合的に見ると、日本株全体への影響度は「-2」と評価します。
日本の個別株への影響
トヨタ自動車(7203・東京証券取引所)
評価:(+2)
予想解説
トヨタは名目賃金の増加と冬のボーナスによる消費回復の期待から、一定の需要が見込まれます。ですが、全体的な物価上昇の影響で消費者の購買意欲には注意が必要です。
ソフトバンクグループ(9984・東京証券取引所)
評価:(-1)
予想解説
物価上昇が影響し、デジタル関連サービスへの消費が抑制される可能性があります。投資家の不安も影響し、短期的には弱含みとなる見込みです。
セブン&アイ・ホールディングス(3382・東京証券取引所)
評価:(-2)
予想解説
実質賃金が低下する中で、消費者の支出が減少し、特に小売業界に厳しい影響が及ぶと考えられます。要注意の業種と言えるでしょう。
ファーストリテイリング(9983・東京証券取引所)
評価:(+1)
予想解説
競争力のある商品の販売が期待されますが、高価格商品の需要は実質賃金の減少負担により鈍化する恐れがあり、短期的な影響は限定的と見ます。
ホンダ(7267・東京証券取引所)
評価:(+2)
予想解説
名目賃金の増加が販売にプラスの影響を与え、ボーナスでの車購入需要が期待されますが、物価上昇が懸念されるため、過度な期待は禁物です。
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