ニュースの要約
- JAXAが初のピンポイント着陸に成功した小型月着陸機「SLIM」のプロジェクトを総括。
- SLIMは2023年9月に打ち上げ、2024年1月に月面着陸成功。
- 従来の着陸精度が数キロに対し、SLIMは10メートル程度の精度を実現。
- 着陸場所は従来の広い海ではなく、小さなクレーター。
- SLIMの成功により、NASAなど他国の月探査計画にも影響が出る可能性。
ニュースの概要
JAXA(日本宇宙航空研究開発機構)は、1月に世界初のピンポイント着陸を成し遂げた小型月着陸実証機「SLIM」のプロジェクト成果を矢継ぎ早に報告。SLIMは、2023年9月7日にH-II Aロケット47号機で打ち上げられ、12月に月周回軌道に投入されました。1月20日には、「神酒の海」近くのクレーターに成功裏に着陸。この成功は日本が月面着陸に成功した5番目の国となる成果であり、従来の着陸技術とは一線を画すものでした。
SLIMの特筆すべき点は、ピンポイント着陸の実現です。従来の月着陸機では数キロの精度が一般的でしたが、SLIMはその精度を「10メートル程度」まで向上させました。この技術は、月面での探査活動に新たな可能性を開くものです。また、SLIMは700キロ以上重い従来機と比べて約200キロと極めて軽量で、コスト削減による頻繁な月探査の実現を見越した設計となっています。これは、月探査における新しい技術革新の波を引き起こすと予想されます。
さらに、SLIMの成功によって、他国、特にNASAの月探査計画への競争も激化する見込みです。NASAは現在、SLIMに続くピンポイント着陸を目指した機体を開発中とのことで、国際的な宇宙開発の競争が加速するでしょう。
日本株全体への影響
日本の宇宙産業は随分と発展しており、今回のSLIMプロジェクトの成功はその象徴的な出来事です。この成功によって投資家の関心が宇宙関連株式やテクノロジー株に向かうことが考えられます。SLIMの技術革新が他の産業にも波及効果を持つ可能性や、国際的な宇宙開発の競争における日本の位置づけの強化を背景に、日本株全体がプラスの影響を受けると見込まれます。したがって、日本株全体の価格予想は+3と予評価します。
日本の個別株への影響
三菱重工業(7011・東証)
評価:+4
予想解説
SLIMプロジェクトは三菱重工が主導した部分もあるため、関連の受注拡大や株価の上昇が期待されます。
NEC(6701・東証)
評価:+3
予想解説
宇宙通信技術の進展契機としてNECにも恩恵があり、未来の受注先国際プロジェクトへの影響が期待されます。
富士通(6702・東証)
評価:+2
予想解説
SLIMに関連した地上データ処理サービスなどの需要が高まることで、同社の宇宙関連ビジネスの成長が見込まれます。
東京エレクトロン(8035・東証)
評価:+1
予想解説
半導体製造装置を手掛ける企業として、新技術開発が進む中、SLIMプロジェクトによる技術革新は業務ニーズに寄与し得ます。
川崎重工業(7012・東証)
評価:+2
予想解説
宇宙関連事業への進出機会が増加すると同時に、三菱重工からの受注も期待できるため株価の上昇要因となります。
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