ニュースの要約
- 与党の税制改正大綱でiDeCo見直しが発表された。
- 退職金の受け取り時期での税控除が変更された。
- 具体的には、退職金の最大控除を受けられる年齢が65歳から70歳に引き上げられた。
- 「5年ルール」が「10年ルール」に改定されることにより、税負担が増加する。
- 財務省は影響を受けるのは大企業の定年を64歳以下に設定している者に限られると説明。
ニュースの概要
2023年10月20日に与党が発表した令和7年度の税制改正大綱では、個人型確定拠出年金「iDeCo」に関する変更が決定された。この改正は特に退職金に関連する税控除に影響を与えるもので、重要な点は退職金と一時金の受け取りタイミングが税負担に与える影響が拡大された点である。
これまで、退職金を受け取る前にiDeCoの一時金を受け取った場合、控除を最大限に利用できる「5年ルール」が存在していた。このルールの改正により、これが「10年ルール」に見直され、iDeCo資産の受け取りが60歳からされる中で、退職金の受け取り時期は70歳以降でないと税負担が軽減されなくなる。この結果、退職金を受け取った際の課税額が現在の約4.3倍に達する場合もあるという、実質的な控除の減少が懸念されている。
一方で、財務省は、大企業でも定年が64歳以下に設定されることが多く、このルール変更の影響を受ける人は少数になると主張。反対に、SNSなどでの批判の声が高まっており、民間の税理士はこの改正が退職金受給者において実質的な税負担を増加させると指摘している。この改正により労働者のライフプランや退職金制度の見直しが求められる可能性が高まっている。
日本株全体への影響
税制改正が個人の資産形成計画にマイナスの影響を与えることから、消費支出や経済活動の減少を懸念する声がある。特に、退職金の手取り額が減少することで、消費マインドが低下する可能性が指摘されており、個人消費関連の企業の業績にも影響を及ぼす見込みだ。このため、全体としてはマイナスの影響が強いと考えられるが、影響を受ける層が限られているため、過度に悲観的になる必要はないとも言える。影響度は「-3」と予想する。
日本の個別株への影響
トヨタ自動車(7203・東京証券取引所)
評価:-2
予想解説
消費者の税負担増加が影響し、消費支出が減少することで自動車販売に悪影響が懸念されるが、トヨタは世界的な強さを持つため、影響は限定的。
ソニーグループ(6758・東京証券取引所)
評価:-1
予想解説
エンターテインメントやデジタル製品の需要には影響が薄いと考えられるが、全体的な消費低下が響く可能性も。
ユニクロ(ファーストリテイリング 9983・東京証券取引所)
評価:-2
予想解説
衣料品業界は消費者の可処分所得に敏感なため、税負担増が消費意欲に negative な影響を与える可能性が高い。
ファナック(6954・東京証券取引所)
評価:+1
予想解説
製造業向けの設備投資需要が安定しているため、影響が小さく評価としてはプラスに寄与する見込み。
リクルートホールディングス(6098・東京証券取引所)
評価:-3
予想解説
労働市場や雇用関連の影響を受けるため、税制改正の影響が直接的に悪化する可能性がある。
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