ニュースの要約
- 日銀は金融政策決定会合で短期金利の誘導目標を「0.25%程度」に維持、追加利上げを見送り。
- 植田総裁は賃金動向や物価上昇ペースを理由にし、利上げには慎重な姿勢を示した。
- 日米金利差が縮まりにくくなり、円安が加速する見通し。
- 市場では次回の利上げは遠のいたとの見方が広がり、ドル円は一時157円台に急落。
- トランプ政権の再スタートによる影響もあり、さらなる円安が懸念されている。
ニュースの概要
2023年12月19日、日銀は金融政策決定会合で短期金利の誘導目標を「0.25%程度」に据え置き、追加利上げを見送る決定を行った。この決定は市場の予想と相反しており、利上げを期待していた投資家にとっては失望感を招いた。植田総裁は、賃金動向についての情報をさらに収集する必要があること、次期米政権の方針に不確実性が大きいこと、基調的な物価上昇が非常に緩やかであるので、利上げを急ぐ状況ではないとの説明を行った。彼の言葉は一部の経済専門家によって疑問視されている。特に、円安が進む中でのこの方針は「官製円安」との批判も受けている。ドル円は19日に一気に157円台に急落し、160円を目指す状況に。米国ではFRBが3会合連続で利下げを決定し、来年の利下げペースが2回に半減する見通し。これにより日米金利差の縮まりが予測され、さらなる円安圧力が強まっている。金融市場では、利上げの遠のいた見通しを受けて、円安観測が急拡大している。次回の政策決定会合は2024年1月23日、24日に予定されており、トランプ政権の経済政策がどのように影響を与えるかも注視されている。市場の不安定要素が重なり、円安が一時的な現象では済まない可能性がある。
日本株全体への影響
日本株全体には、円安進行により輸出企業の業績が好転する期待がある一方で、円安による物価高が消費者の購買力を圧迫する恐れもある。具体的には、円安が進めば例えばトヨタなどの自動車産業や、任天堂といったゲーム企業の業績改善に寄与する。しかし同時に、エネルギーや原材料価格が上昇し、製造業全般にコスト押し上げ圧力がかかるため、利益率の悪化も懸念される。全体的には、光と影が交錯する状況で、株価は比較的強い動きを見せるが、それでも調整局面も考えられるため、評価は「+2」とする。
日本の個別株への影響
トヨタ自動車(7203・東証一部)
評価:(+4)
予想解説
円安が進行することで海外売上が増加するため、自動車メーカーにとってプラスとなる。特に北米市場での需要が強いため、利益が増加する見込み。
任天堂(7974・東証一部)
評価:(+3)
予想解説
円安は海外売上の評価益を生むため、利益改善が期待できる。しかし、前期の人気ソフトの販売が落ち着いているため急進展は難しいと予想される。
ソニーグループ(6758・東証一部)
評価:(+3)
予想解説
円安によってゲームや映画、音楽の海外売上が増える一方、製品コストが上昇するため利益率が維持できるかが鍵。全体での成長は期待される。
Panasonic(6752・東証一部)
評価:(+2)
予想解説
エネルギー価格の高騰により製造コストが上がる懸念があるが、円安効果が利益を押し上げるため、持ち直しが期待できる。
日立製作所(6501・東証一部)
評価:(+1)
予想解説
社会インフラやエネルギー事業の需要は依然強いが、原材料価格上昇によるコスト増影響が懸念され、株価は慎重な展開を強いられると予想される。
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