ニュースの要約
- ヤマト運輸と日本郵便の配達協業が不調であることが明らかになった。
- ヤマト運輸は法人顧客を安値で拡大しようとしたが、収益が伸び悩む。
- 増加した人件費や委託料によって、最終損益が赤字に転落した。
- 業界内での運賃適正化への声が高まっており、安値攻勢への反発も見られる。
- 両社の協業は「2024年問題」解決の試みであったが、合意はなかったと報じられている。
ニュースの概要
ヤマト運輸と日本郵便の配達協業が今年18日に不調であることが発表された。ヤマト運輸はドライバーの賃上げや運賃適正化の流れの中、大口の法人顧客を低価格で獲得する戦略を取っていたが、その結果、収益は振るわず最終損益が前年同期比で53億円の黒字から111億円の赤字に転落し、5年ぶりの中間期赤字を記録した。宅配便の取り扱い個数は前年同期比3.5%増加したが、単価は低下し、特にネット通販の物価上昇が影響を及ぼしている。また、業界内での不満も募り、競合他社からは出発運賃の据え置きは不可能とする意見が表明されている。さらに、両社の協業は「2024年問題」に対する大手による解決策として期待されていたが、実際には両社の間に合意がなかったことが明らかになり、不透明感は増すばかりだ。日本郵政の社長もヤマトの独断に対する不信感を露わにする発言を行っており、今後の業種全体の動向にも影を落とす懸念がある。運賃の適正化が急務とされる中で、両社の関係性が改善されるかどうかが注目されるだろう。
日本株全体への影響
このニュースはヤマト運輸と日本郵便にとってネガティブな要素が強く、結果として関連する物流業界全体への悪影響をもたらす可能性が高い。特に、いずれも株式市場で重要な位置を占めている企業であるため、投資家の心理に影響を与えることが予想される。これにより、他の関連株式にも不安要素が波及し、全体的な株価の押し下げ要因となるリスクが考えられる。したがって、日本株全体への影響は下方向に働くと分析し、評価は-3とする。この影響は、配達業界全体の収益性の低下というテーマに根ざしているため、幅広い投資家の関心を集める可能性がある。
日本の個別株への影響
ヤマト運輸(9064・東京証券取引所)
評価:-4
予想解説:今回の赤字転落と協業の不調は、株主に対する信頼を揺るがし、株価が下落する懸念が強い。特に業績予想の修正がなければさらなる下落が予想される。
日本郵便(9376・東京証券取引所)
評価:-3
予想解説:配達サービスにおける不安定要因が増えたことで、株価はネガティブ要因によって下落するリスクが高い。特に業務連携の信頼性に影響が出れば、顧客も離れる恐れがある。
セイノーホールディングス(9076・東京証券取引所)
評価:-2
予想解説:業界全体に悪影響が及ぶ中で、セイノーも影響を受ける可能性がある。競争が激化すれば、価格圧力が強まり、利益率が低下するリスクが懸念される。
日本通運(9062・東京証券取引所)
評価:-1
予想解説:優良な物流サービスを提供しているが、他社の苦境が業界全体に影響を与えるため、継続して下方圧力を受けるかもしれない。短期的な影響は小さくなると考える。
トランコム(9716・東京証券取引所)
評価:-2
予想解説:地域密着でのサービスを提供しているが、ヤマトと日本郵便の不調が業界の健全性に対する懸念を引き起こし、株価には下落圧力がかかる可能性が高い。
カテゴリ:マーケット・株式
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