ニュースの要約
- 米ホワイトハウスが、日本製鉄のUSスチール買収計画に対する審査が継続中と発表。
- バイデン大統領が、買収に反対の意向を示している。
- CFIUSは今月22日までに審査結果を出さなければならない。
- 日鉄は、政治的理由が安全保障に勝る状態は不適切と反発している。
- USスチールは、買収の利点を多くのステークホルダーが支持していると強調。
ニュースの概要
米ホワイトハウスの発表によると、日本製鉄(以下、日鉄)の米国鉄鋼大手USスチールの買収計画に関して、国家安全保障上の審査が進行中であるという。その中で、バイデン大統領は買収に対して依然として反対の立場を示しており、今後のCFIUS(対米外国投資委員会)による勧告を見守る構えである。特に、バイデン氏はUSスチールが米国で所有され、運営される必要があると強調しており、安全保障上の理由からこの買収に懸念を持っている。
一方で、日鉄はこの状況に対し、政治的理由が真の国家安全保障の利益に優先することは避けるべきであるとコメント。また、USスチールもこの取引の利点を支持する声が多いことを強調し、法の順守を訴えている。今後、買収が阻止された場合、日鉄とUSスチールは法的手段に出る意向を示しており、問題はまだ解決していない。
このような状況を踏まえて、ファイナンス市場ではUSスチールの株価が一時22%急落するなど、著しい影響を受けている。最終的な決定は今月22日までに下される予定だが、日鉄にとってこの買収が成就するかどうかは、今後の米国の政治的環境に大きく依存している。
日本株全体への影響
日本株全体に与える影響については、徐々に意識されている米国市場との関係が強くなるため、やや慎重な見方が広がるだろう。特に、日鉄のような大企業の動きは、依然として市場のボラティリティを高める要因となるため、投資家はリスク回避姿勢が強くなる可能性がある。このことから、日本株全体の相場にはやや下押し圧力がかかりうる。評価は「-2」とする。
日本の個別株への影響
日本製鉄(5401・東証一部)
評価:-3
予想解説
USスチール買収計画が頓挫した場合、日鉄の株価は下落する可能性が高い。政治的不安定性が影響し投資家心理が冷え込みかねない。
JFEホールディングス(5411・東証一部)
評価:-1
予想解説
日鉄の動向が影響する中で、競合他社であるJFEも市場での評価がやや下向く可能性があるが、相対的には安定が見込まれる。
住友金属鉱山(5713・東証一部)
評価:-1
予想解説
鉄鋼業全体への影響を受けつつも、金属鉱山事業にシフトしているため、影響は軽微と予想される。
神戸製鋼所(5406・東証一部)
評価:-2
予想解説
日鉄の評価が下がるとともに競合として価格競争が厳しくなり、神戸製鋼も打撃を受けるリスクがある。
日通(9062・東証一部)
評価:+1
予想解説
鉄鋼業界全体が不安定ながら、物流事業においては安定した需要が見込まれ、期待感はある。
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