ニュースの要約
- 全国の農業経営体が前年比で5%減少、一方で法人化は1.2%増加。
- 農業就業者は高齢化や人口減少で減少傾向。
- 企業参入に対する規制が依然として厳しいため、参入ハードルは高い。
- モスフードサービスは自社農場を持ち、野菜調達の安定を目指すが新規設立は停滞。
- 農業参入での企業のリスクと課題が明らかになっている。
ニュースの概要
2024年6月に発表された農林水産省の農業構造動態調査によると、日本全国での農業経営体数は前年比で5%減少したことが示されています。その一方で、農業の法人化が進んでいることも確かで、法人経営数は1.2%増え、約3万3400に達しました。これは、農業業界が高齢化や人口減少の影響を受けながらも、新たな企業が市場に参入する動きによるものです。しかし、企業が農主として農地を所有できないという厳しい規制があるため、法人化の動きには限界も存在します。
改正農地法が09年に施行され、企業が農地を賃借する形式で参入が可能になったものの、企業側からは「いつ農地を返還するよう求められるか分からない」という不安が寄せられています。さらに、23年には地方自治体経由で企業の農地取得が実質的に可能になりましたが、手続きの煩雑さや条件の多さから、依然として企業が農業に参入するハードルは高いままです。
特に注目されるのがモスフードサービスの事例です。同社は自社の農場を持ち、全国1300店舗での野菜供給を管理しています。もともと外部から仕入れていた時期もあり、品質管理の必要性から自社農場を設立したものの、運営には苦戦しているとのこと。現在は約10拠点での野菜生産にとどまっており、新たな拡大計画は存在しないと報じられています。これは高齢化や人手不足といった農業特有の課題を浮き彫りにするもので、今後の展望が注目されます。
日本株全体への影響
日本全体の農業政策や産業の法人化の進展に伴い、農業関連株にプラスの影響が予測されます。特に法人化が進むことで資金調達や経営効率の向上が期待され、今後の成長が見込まれます。しかし、規制の厳しさやハードルの高さも依然残っているため、全体としては慎重な見方が必要です。この観点から、日本株全体の影響は+2程度と予測します。
日本の個別株への影響
モスフードサービス(8153・東証1部)
評価:-2
予想解説
自社農場の設立に苦戦しており、新規拡大の計画もないため、今後も株価にネガティブな影響が予想されます。
農業法人に関連する企業(未上場含む)
評価:+3
予想解説
農業法人の増加に伴い、関連ビジネスにもニーズが高まり、業績が向上する可能性があります。
住友商事(8053・東証1部)
評価:+2
予想解説
農業ビジネスへの多角化が進んでおり、安定した収益が期待されます。
日本ハム(2282・東証1部)
評価:+1
予想解説
農業との関連性が高い企業として、農業法人の法人化は中長期的にプラスに働くでしょう。
大塚製薬(4578・東証1部)
評価:+1
予想解説
健康志向の高まりにより、農業企業との協力が進む可能性があり、成長の余地があります。
大和ハウス工業(1925・東証1部)
評価:+2
予想解説
農業インフラの整備を進める中で、新たな受注が期待できるため、プラスの影響が予想されます。
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