国民年金増加、厚生年金減少：公的年金の行方は？｜株価への影響

ニュースの要約

• 厚生労働省が国民年金改革に着手。
• 厚生年金保険料を国民年金に充当し、国民年金を3割増しにする計画。
• 国民年金の受給額は81万6000円から106万800円に増加。
• 改正案の施行は2027年～2030年を予定。
• 専業主婦や自営業者には有利な内容、一方で会社員・公務員に対しては厚生年金給付抑制の方向性も。

ニュースの概要

厚生労働省は国民年金制度の改革に着手する方針を示しました。計画では、会社員や公務員が支払っている厚生年金保険料を国民年金に充当し、国民年金の給付水準を現在の3割増しにすることが目指されています。現在の国民年金の満額支給額は81万6000円ですが、改革後には106万800円に増額される見込みです。この変更は、65歳以上のすべての人々に影響を及ぼし、特に専業主婦や自営業者にとっては有利な状況を生む可能性があります。特に、専業主婦は第3号被保険者として保険料を支払わずに給付を受けられるため、さらに優遇される懸念があります。一方、厚生年金の給付水準は抑制される方向が示されており、これにより会社員や公務員は受給が減少する可能性があります。今回の案は2025年度中に法案成立を目指し、2027年から2030年にかけて実施される可能性が高いとされています。この改革は、現役世代から高齢者への資金移動につながることから、世代間での対立を生む要因ともなりかねません。また、年金制度の変更が参議院選挙に影響を与える可能性もあります。

日本株全体への影響

この年金改革は、国民年金の受給者にとってはメリットですが、一方で資金の流れが変わり、今後の社会保障制度に対する不安感が高まる可能性があります。特に厚生年金の給付水準が減少すると、現役世代の消費が抑制される可能性があるため、市場全体の活力が低下することが懸念されます。これらの要因を総合的に考慮すると、新たな制度改革が短期的に市場に良い影響を与えるとは考えづらく、全体的な株価にはマイナスの影響を及ぼすと予想されます。評価は-2とします。

日本の個別株への影響

日本生命保険相互会社（生命保険業界）

評価：(-2)

予想解説

年金制度改革により年金の役割が変わることで、生命保険商品に対する需要が減少する可能性があります。

NTTドコモ（9437・東証一部）

評価：(-3)

予想解説

年金改革による社会的不安要因が消費者心理を冷やし、通信料金のシフトや投資捻出に影響を与える可能性があります。

パナソニック（6752・東証一部）

評価：(-1)

予想解説

高齢者向け製品の需要が堅調な一方、全体的な景気の冷え込みによって投資が抑制される影響を受けるでしょう。

三菱商事（8058・東証一部）

評価：(-2)

予想解説

国内需要の低迷が長引くことで、総合商社全体の業績に影響が及ぶ見込み。

武田薬品工業（4502・東証一部）

評価：(-1)

予想解説

医療関連の需要が確保される見込みも、年金改革による社会保障制度の不安が投資マインドに影響を及ぼします。