トランプ大統領、関税を祝うも雇用と物価に警鐘｜株価への影響

ニュースの要約

• 米トランプ政権が関税交渉の成果を報告。
• 2023年1-6月の米国の関税収入が969億ドルに達し、前年を上回る。
• GDP成長率が3.0%と市場予想を超える。
• 雇用増加が予想を下回り、物価上昇が続いている。
• 英国とインドが自由貿易協定を署名、関税引き下げを含む。

ニュースの概要

米トランプ政権が最近発表した経済指標によると、今年の1月から6月の間に徴収された米国の関税収入が969億ドル（約14兆2900億円）に達し、前年の829億ドルを大きく上回ることが確認された。特に4月から6月にかけては、基本関税の発効により694億ドルに達し、前年同期に比べ3倍の増加を見せた。また、この期間のGDPの成長率も年率で3.0%と、予想の2.3%を上回る好成績を示した。トランプ大統領はこの結果を称賛し、関税収入を国民に還元する計画にも言及している。

しかし、雇用情勢には警戒が必要だ。7月の非農業部門雇用は約7万3000件の増加が報告されており、期待された10万人の増加には届かなかった。この3カ月の雇用増加は月平均3万5000件と、コロナ以降最悪の水準。また、失業率は4.2%に上昇し、先行きに懸念を抱かせている。消費者物価指数（CPI）も連続して上昇し、6月には2.7%に達し、FRBの目標である2%を超えた。このような物価上昇は、関税政策による影響が大きいと見られる。

さらに、英国とインドは自由貿易協定を締結し、互いの関税を引き下げることで合意。これにより、米国の高関税政策に対抗する動きが強まっている。日本が関税政策においてどのような影響を受けるか、あるいは対応策を考える必要があるといえる。

日本株全体への影響

今回のニュースは、米国の経済指標の好調さと同時に、物価上昇や雇用増加の低迷といったリスクも併せ持っています。米国経済の成長が続く限り、日本の輸出企業にとってプラスの影響が期待されますが、米国の高関税政策は日本企業にも影響を与える可能性があります。しかし、自由貿易協定による他国の関税引き下げが進むことで、競争力の低下を懸念する日本企業も出てくるかもしれません。従い、全体的に見れば、株価は短期的には安定的な推移を見せつつも中長期的にはリスク要因が増える可能性があるため、少し下がる展開になると予想します。評価としては、-1のマイナスで見積もります。

日本の個別株への影響

トヨタ自動車（7203・東京証券取引所）

評価：(+2)

予想解説：米国での販売が好調であり、関税の影響が軽微である可能性も。ただし、高関税政策がじわじわと影響を及ぼす懸念も。

ソニーグループ（6758・東京証券取引所）

評価：(+1)

予想解説：米国市場に依存度が高い企業だが、エンターテインメント分野は堅調。しかし、関税影響を懸念しやすい。

任天堂（7974・東京証券取引所）

評価：(+2)

予想解説：新作のゲーム機販売が順調。米国市場に強みを持ちながらも、関税が影響する可能性に留意。

株式会社キーエンス（6861・東京証券取引所）

評価：(+3)

予想解説：米国での工業用品需要は依然高い。関税影響が少なく、自社製品の競争力も強い。

ファーストリテイリング（9983・東京証券取引所）

評価：(-1)

予想解説：アパレル業界全体が関税に敏感。米国市場の影響が大きく、売上にマイナスが出るかもしれない。