点呼せず12万件、郵便局が会見し他社委託｜株価への影響

ニュースの要約

• 日本郵便が点呼に関する全国調査を実施
• 必要な57万8千件の点呼のうち、約12万6千件で不適切が判明
• 不実記載は約10万2千件に達する
• 国土交通省からの許可取り消し方針を受け入れるとの見通し
• 約2500台のトラックが5年間運行できなくなる可能性

ニュースの概要

日本郵便は、全国で実施した点呼の調査において、不適切な行為が多数確認されたことが明らかとなった。具体的には、57万8千件の点呼のうち、約12万6千件がすべての必要項目を実施していなかった。また、記録簿には事実と異なる記載が約10万2千件も存在していた。この問題を受けて、国土交通省は同社に対し一般貨物自動車運送事業の許可を取り消す方針を通知した。日本郵便はこれに反論せず、処分を受け入れる意向を示しており、この結果、約2500台あるトラックとバンが5年間運行できなくなる見込みである。日本郵便は、業務の一部を競合他社に委託する方針を固めており、ヤマト運輸や佐川急便等との協力関係を築くことになる。このような動きは、長距離の荷物輸送で協業する企業との連携を強化する一環として行われる。また、過去にはヤマトに対して訴訟を起こしている経緯もあり、この問題は業界内での競争関係に影響を及ぼす可能性がある。

日本株全体への影響

日本郵便の不適切点呼問題は、同社の事業運営に大きな影響を及ぼす可能性があり、これに伴う株式市場全体への影響も無視できない。一部の投資家がこのニュースを悪材料と受け取れば、業界全体に対する信頼感が低下し、関連する企業の株価も影響を受ける恐れがある。しかし、業界内の競争は依然として続くため、短期的には日本郵便への直接的なネガティブインパクトに留まるかもしれない。そのため、日本株全体への影響度合いは-2と評価されるべきだと考える。

日本の個別株への影響

日本郵便（JP郵便・9372・東京証券取引所）

評価：-5

予想解説

不適切点呼問題により、運送事業の許可が取り消される可能性が高く、5年間の業務停止が経営に致命的な打撃を与えるため、大幅な株価下落が予想される。

ヤマト運輸（9064・東京証券取引所）

評価：+2

予想解説

日本郵便の業務委託が増えることで、市場占有率が向上する可能性があるが、競争が激化するため、急激な上昇は期待できない。

佐川急便（9370・東京証券取引所）

評価：+3

予想解説

日本郵便からの業務委託が見込まれ収益に寄与するが、企業間競争が厳しいため安定的な成長には限界がある。

西濃運輸（9373・東京証券取引所）

評価：+1

予想解説

佐川やヤマトとの競合が影響し、一時的な利益が出るものの、長期的な影響を見据えると株価の上昇は限定的。

トナミ運輸（9087・東京証券取引所）

評価：+2

予想解説

完全子会社化することで、今回の業務委託からの恩恵を受けるが、他社同様に競争の影響を受けるため大きな上昇は期待できない。