ニュースの要約
- 2025年5月に千葉市で防衛展示会「DSEI Japan」が開催。
- ブラジルのエンブラエル社が輸送機KC-390を出展。
- KC-390は母国ブラジルやポルトガル、韓国などが採用している。
- 航空自衛隊のC-2の後継機候補としてKC-390が提案されている。
- 川崎重工業のC-2は海外輸出が進まない中、KC-390は着実に採用国を増やしている。
ニュースの概要
千葉市の幕張メッセで開催された国内最大の防衛展示会「DSEI Japan」において、ブラジルの航空機メーカーエンブラエル社がその自社開発の輸送機KC-390「ミレニアム」をアピールしました。このKC-390は、2015年に初飛行した比較的新しいモデルで、すでにブラジル空軍、ポルトガル、ハンガリー、韓国、オランダ、オーストリア、チェコなど多くの国で採用されています。特に、航空自衛隊の老朽化したC-130Hの後継機としてKC-390が提案されており、その外観には航空自衛隊のC-2輸送機を模したデザインが施されています。川崎重工業が製造するC-2に対して、KC-390は海外市場でも注目を集めており、さまざまな国で導入が進んでいるのが特徴です。この状況は、日本の防衛産業が海外にどれだけ展開できるかという課題を浮き彫りにしています。C-2は過去に米国への輸出が試みられたものの、実際の輸出実績はゼロであるため、KC-390の成長は日本にとっての競争相手として具体的な影響を持つ可能性が高いです。この展示会を通じて、日本市場における防衛関連の競争が再燃し、今後の造船・航空機産業に与えるインパクトが注目されています。
日本株全体への影響
日本株全体に対して、中長期的にはおおよそプラスの影響が見込まれると考えられます。防衛産業は国の安全保障と直結しており、国内外の需要が高まる中で、日本の防衛関連企業にとって新たな商機が期待されます。特に、エンブラエルのKC-390が日本市場で注目されることで、川崎重工業や他の防衛関連民間企業も市場競争にさらされ、技術向上やコスト効率化が進むでしょう。ただし、既存の川崎重工業のC-2輸送機が直面する課題や、採用国が限られていることが影響を及ぼし、全体的な需給環境の変化が生じる可能性もあります。このため、日本株全体の評価はプラス2程度になると思われます。
日本の個別株への影響
川崎重工業（7012・東証一部）
評価：（-2）
予想解説
川崎重工業はC-2輸送機の生産大手ですが、エンブラエルのKC-390による競争圧力が高まるため、株価は下落する可能性があります。特に日本市場での提案を食われるリスクがあります。
三菱重工業（7011・東証一部）
評価：（+3）
予想解説
三菱重工業も防衛事業に参入しており、KC-390の導入による需要拡大にはプラス影響を受けるでしょう。競争が進む中で技術的なアプローチが強化される可能性があります。
NEC（6701・東証一部）
評価：（+2）
予想解説
防衛関連の情報通信技術を提供するNECは、KC-390の採用が進むことでその関連サービスが強化され、収益拡大が期待されます。
IHI（7013・東証一部）
評価：（+4）
予想解説
IHI は防衛機器の部品を供給しており、KC-390の日本導入があれば、相乗効果で業績に寄与することが期待できます。
日立製作所（6501・東証一部）
評価：（+1）
予想解説
日立は防衛関連の新技術の提供に関与していますが、KC-390の影響は限定的で株価にはあまり大きな変動がないと考えられます。
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